まつもとの雑記

理系のオタクが一般ピープルには理解されない"ディープな"趣味について書き綴ります

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浴槽でコイを飼う(最終回)

-これは、ひょんなことからコイを入手してしまった男がコイを料理するまでの記録である-

 注意! コイの胆のうには5a-シプリノール硫酸エステルという毒があります。*1 薬効があったとしても絶対に食べないでください。また、このブログで食べられる植物や動物を紹介しますが、実際に食べるのは知識がある人のみでお願いします。

自然毒のリスクプロファイル:魚類:胆のう毒|厚生労働省

 

食中毒の危険性を理解したうえで閲覧して下さい。

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はい、1週間くらい浴槽でコイを泳がせましたが、元気です。(3日目から後は割愛)

大胆な生体管理は一人暮らしの特権だと周りに言ったら引かれました。

そろそろ臭みがなくなっただろうと思い、コイを美味しくいただく為に準備をします。

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まず最初にすることは、コイの頭部を包丁の背の部分(峰)で打撃ダメージを与えます。

大人しくなったら、血抜きの作業になります。エラぶたの裏の薄い膜から心臓を潰さないように刃を入れていきます。この時点でコイが大人しくないと、血が身に回ってしまうので臭くなります。というか、コイは死んでからがとても臭いです。食ったらひと口目からドブと生臭いニオイに包まれます(経験談)

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血抜き後は鱗を落としましょう。ここで、普通の魚だと包丁やペットボトルのキャップ、ウロコ取りでガシガシしますが、コイの場合は鱗が大きくて大変です。そのため、皮と鱗の間に包丁を入れ、写真のように鱗だけを削ぎ落とします。柳刃包丁ですると簡単だと思いますが、出刃包丁1本で捌きます。

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包丁で鱗だけを剥がす

内臓を取り出しましょう。コイの血はかなり出ましたが、捌く時に自分の指を切ってしまったので、コイの血なのか自分の血なのかもうよく分かりません。(意外と傷が深かった)

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綺麗に内臓を出せました。腹開きじゃなくて背開きにするみたいですが、自分が捌きやすい方でいいと思います。胆のうを潰さなければ。

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コイ科の骨は他の魚とは少し異なります。特に「y字」の骨があるという点。野生の個体を生で食べるのは寄生虫のリスクがありますが、養殖されたものを刺身で食べる場合、腹身の部分を食べた方がいいかもしれません。腹身と背身に分ける時、背身の方に血合い骨が残るように柵取りしました。

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絶対に真似しないでほしい「(野生の)コイのにぎり」

ちなみに味は脂がのっていて、コリコリしていて旨い部類の魚だと思いますよ。個人的に。(※野生のコイを生で食べないで下さい。管理人はアホかつ寄生虫に負けない鉄の胃袋を持っているので大丈夫です)

画像はマグロの身のように見えますが、実際はここまで赤くありません。彩度を上げ過ぎてマグロみたいになりました。

 

皮を引きますが、鱗をつけたまま三枚おろしにしてからだと効率が悪いのではないかと思われるかもしれません。なぜわざわざ皮を引くのかというと、鱗を落とすことによって体表の滑りが落ちるからです。滑りはライギョと同様に身の部分に臭みが移るかもしれません。

この写真はコイの燻製をするためハーブ類をふんだんに使っているところ。

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私が捌いた個体とは別の個体で、血抜きがあまりできておらず、臭みが強いと思われるのでふんだんに臭い消しの効果がありそうなものを使います。

 

次回、コイを食う。お楽しみに

*1:肝臓細胞の変性や壊死を引き起こす。その後、脳細胞・心筋の損傷など、神経系統や心臓血管系の異常を招き死亡する。