まつもとの雑記

理系のオタクが一般ピープルには理解されない"ディープな"趣味について書き綴ります

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アサリを飼育する方法って何だろね?

アサリって飼える?餌はどうする?それとも飼えないから食べちゃう?アサリの飼育方法に一同驚愕!

アサリのWikipediaにはろ過摂食者と記載されてます。 ろ過摂食者と書いているということは、餌はプランクトンや微小な有機物粒子という説が有力ですね。しかし、水槽内での具体的な飼育方法は確立されていないみたいです。  

いかがでしたか? 謎が深まるアサリ飼育、アサリを飼育というか水槽内で維持できているまつもとの活躍?に期待したいですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っておい!!

申し遅れました。上のようなクソ記事を書いてるやつは○ね!!と思うまつもとです。

 

アサリの入手方法や基本的な水槽の立ち上げ方については触れずに"アサリの餌"について、実際に飼育した経験を交えてまとめました。まとまってないけどまとめたことにしてくれ ただし、私1人がやって得た試行回数「1」の結果なので当てにならないかもしれない。。。

 

ご存知の通り、アサリを含めた二枚貝は珪藻類やデトリタス(微細な有機物粒子)などをエラでろ過して懸濁物や沈殿物を集め、その中の有機物を餌にします。二枚貝の中には微生物と共生して有機物を得る貝やシャコガイ類のように共生している褐虫藻光合成に依存する貝もあります。

主に潮干狩りで持ち帰る機会が多いのはアサリやハマグリなので、この2種が飼育できるであろう環境や飼育方法について話を進めます。

 

・実はアサリよりタフで飼育しやすい奴がいる

 

はい。そいつの名前がホンビノスっていうんですが、かなり強いです。

個人的な感覚ですが、左から強い順に並べると

ホンビノス・サザエ>アサリ≧ハマグリ>>>>>>(超えられない壁)>>>>バカガイ>>ホタテ・マテガイ>アワビ

上のようになります。(ここでは水を汚しやすいという理由でハマグリを弱い側に入れました)

特に殻がしっかりとしている貝は強い。殻を開けることの多いバカガイやホタテ、殻が柔らかいマテガイ、アワビはアサリに比べるとかなり弱い。

 

・海水をつくる

 

海水を作ってください。おおよその人は海水の濃度といわれると3~3.6%程を思い浮かべるはず。この濃度よりも少し薄い塩分濃度になるように作ります。

なぜならば、アサリは汽水状態を好むから。これは干潟の環境を思い出してほしい。

既に海水魚を飼育している水槽に入れても問題はないと思うが、基本は海水よりも塩分濃度が薄めだと覚えておこう。

水槽はろ過装置があり、水流が生じるものを用いると長期的な飼育が可能と思われるが、エアレーションのみの止水の状態でも短期飼育は可能。長期的に飼育する場合は水換えなどを徹底すれば可能なはず。(あくまでまつもとの考えです)

 

・水槽内でプランクトンがわく状態の水槽を作る

 

難問かもしれないが、家から海水を汲みに行ける人はかなり簡単なのではないでしょうか。海が遠い人は人工海水の入った水槽に、鮮魚コーナーに置いている活 牡蠣(殻付きのもの)やサザエを水槽にいれておくと自然に繁殖することがある。*1(購入する牡蠣やサザエは殻に海藻などの付着物があるものを選んでくる)

また、カイアシ類といった動物プランクトンが増えていたら水槽内に植物プランクトンや珪藻類などが増えているという指標にもなっているはず…

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 暗い部屋で水槽にライトを照らして観察することもできる。男の子はこういうのが好き。

 

・サンゴ用の餌(植物プランクトン)やクロレラの錠剤、珪藻培養水などを定期的に与える

 

初めにいっておくがそこまで気にすることがない。特に他に生き物を飼育している水槽があればデトリタスや珪藻類が存在しているはず。つまり、餌は必要ない。

アサリが軽くなっている傾向があれば餌をやった方がいいかもしれない。

私はカイアシ類を維持するという理由もあるが、クロレラの錠剤や軽装培養水を与えています。下の画像のように餌を与えすぎると偽糞と呼ばれる糸のような微粒子の固まりを排出するので、様子を見つつ餌の量を選定しなければいけない。糞(偽糞ではなくおそらくアサリが食べたであろう本物の糞)はタニシやカタツムリを飼育したことのある人ならわかると思うが、奴らは短冊状の糞をする。

アサリやハマグリもタニシ同様に短冊状の糞をするので、偽糞と本物の糞の量などを見つつ頻度を割り出さないといけない。できればスポイト等に餌を入れて水管付近に少しずつ垂らしてやりたい。

前に私がやったのは餌を与える時だけ別の水槽に入れるという方法。水槽の水を汚したくなかったため数回ほど行ったのだが、飼育水槽の砂からアサリを掘り出す→別容器または別水槽に入れる→別容器の環境に慣れて水管を出したら餌を投入する→元の飼育水槽に戻すという手順を繰り返すことでアサリが何度も砂に潜ることになる。。。

つまり、アサリの運動量が増え"痩せ"の原因になってしまった。そのため別容器で餌付けは諦め、水管が出ている場合はスポイトで与え、出てない場合と忙しい時には偽糞が大量に出ない量を入れることにしました。


気休めですがアサリに餌的なものを与えています


飼育しているアサリの様子

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水管から伸びた偽糞

・餌とは別に栄養補助剤を与える

 

餌を与えていないものと比べてクロレラ錠剤や珪藻培養水を与えているアサリの生存期間は長くなりましたが、ほとんどの個体が最終的に弱りました。そのため、海水に糖やアミノ酸を添加して餌のクロレラ錠剤では足りない栄養素を栄養補助剤(サプリメント)を与えること*2で補いました。

www.fra.affrc.go.jp

Jorgensen(1983)のイガイの研究のように、二枚貝は表皮から海中に溶けている栄養を直接体内に取り込むことが知られています。

また、下のリンクでは分子量540以下の糖を二枚貝の飼育環境中に10mg/L以上30000mg/L未満になるように与えるという二枚貝飼育剤、二枚貝飼育方法の公開特許がありました。アサリ稚貝の飼育方法ですが、、、

patents.google.com

目的に合わせて糖濃度を調節するとあり、成長促進や実入りをよくするためには二枚貝にストレスのかからないように低濃度で長期間投与する。短期間で旨味成分を増やす(食べる)ことが目的の場合、100mg/L以上30000mg/L未満の濃度にすればよいが、24時間100mg/Lで処理したアサリと10000mg/Lのアサリ体内の有機酸含量を比較したものをみると100mgと10000mgでは1割ほどしか変わらないため、適切な濃度を探さないといけないとあります。

私が一度経験したのが、糖濃度が濃すぎたケース。浸透圧は理科の授業で習っていると思うが、きゅうりを漬物液や塩もみすると水分が抜けてしんなりすることは経験していることでしょう。これがアサリにも起きます。アサリが水管を出しているから調子がよさそうだなと思っていたら、実は浸透圧調整のために水管を出さざるをえない場合だったりするのだ。

 

・水槽にアサリが埋まる分厚さの砂を敷く

 

アサリが体を埋めることができる厚さの砂は欲しい。分厚く砂を敷く場合は底面ろ過がいいかもしれません。いちばんの理由はアサリにストレスを与えないという点。もうひとつの理由が砂に潜れないアサリは衰弱しているという目安になるから。

分厚く敷くとデメリット*3がありますが、底面ろ過とアサリ以外の生物を多く入れることでデメリットをなくすことができそうです。(現在飼育中)

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アサリ以外の生物なのですが、干潟にいる生物が好ましく、アサリ以外の二枚貝、巻貝、カニ、ゴカイなど。ゴカイやクルマエビは砂に潜り、砂をかき回すため下層の酸欠状態を回避している。そしてもし アサリが死んだ場合、早急に取り除かなければ飼育水に白濁等の影響が出てしまうが、ゴカイやクルマエビが食べてくれるため特に死んだアサリを回収しなくても良い。特にクルマエビは弱っているアサリでも食べようとするのでかなり優秀。

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アサリに近寄るクルマエビ

 

こんなクソみたいな書き綴りが役に立つとは思わないが、アサリ飼育したい人のために公開します。うまいことまとまらなかったので長文オタクになりましたが最後まで閲覧いただきありがとうございました。

いや待てよ、もっと実験を繰り返して誰でも再現できそうな環境を見つけて有料記事的なものにしてお金とったほうがいいレベルなのでは…?

 

*1:いわゆるソース元は俺というやつ

*2:ブドウ糖を飼育環境中に10mg/L

*3:砂と砂の隙間の水は酸欠状態となり硫化水素ガスなどがたまる