まつもとの雑記

理系のオタクが一般ピープルには理解されない"ディープな"趣味について書き綴ります

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モリアオガエルを捕まえたい

みなさんはモリアオガエルというカエルを知っているだろうか。

テレビなどでも取り上げられていると思うが、産卵期に森の中の池や湿地といった止水域にせり出した木の枝に泡状の袋のようなものがぶら下がっている光景を実際に見たことがある人もいると思います。あの袋状のものはモリアオガエルの卵(卵塊)なのである。泡は乾燥すると紙のようになり、中にある卵を乾燥から守っているようだ。

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モリアオガエル

モリアオガエルを捕獲するのに一番簡単な方法は夕方、産卵期に木の枝に産卵しに来た個体を捕獲するのが一番効率的であり合理的である(気がする)。産卵期を逃すと捕獲は困難を極める。*1

なぜならば、モリアオガエルというカエルは夜行性で昼間に見つけることが難しく、モリアオガエルが樹上性のカエルのため、地表にいるようなヒキガエルやトノサマガエルのように地面を見ているだけでは発見することができないのだ。そう、モリアオガエルを発見するためには地表付近だけでなく、木の上の方まで見なければいけないのだ。

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ソメイヨシノの枝

骨が折れるという表現はこういったことを指すのかと実感する。上を見上げるため、首を痛める。かなりキツイ。産卵期だと毎年産卵に使われる木を絞って観察をしていたら簡単に発見することができるが、夕方〜夜間に木の上の方まで血なまこになって探すのははっきり言って無理だ。

あ、ちなみに上のソメイヨシノの枝の写真で葉が生えておらず、枝が密生している部分がありますがこれはてんぐ巣病で、このまま放置しているとこの枝は枯死してしまいます。公園に植栽されているソメイヨシノは管理されているのでこういった病気が発症しても適切な処置がされますがここは山奥。このまま放置されるのでしょう。

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モリアオガエルは樹上性、こういった木にいる可能性がある

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サクラの木の下。今年はゲリラ豪雨が頻発して水分が多かったのか、サクラの樹液が地面に垂れている。それも気持ち悪いほど大量に。昼間に見るならそこまで驚かなかったかもしれないが、夕方のこれから夜になろうとしている時にこんなもの見せられたらトラウマである。

そして、モリアオガエルを探していると出会いたくないランキングの上位にきそうな生き物に遭遇。

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驚きすぎて手元がブレる

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巨大ゲジ(読者の皆様に配慮しましてモザイクをかけました)

身体中の毛が立ちましたよ。全身鳥肌。

しかもこのゲジ、私の方に向かってくるじゃありませんか。

声を上げて逃げ出したくなりましたが、夜中です。全く人がいない環境ではなく、ちらほら民家があります。人様に迷惑はかけたくない主義なので声を押し殺して、素数を数えて平常心を保つのを心がけました。

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今度は竹林へ

足元が軽装備すぎるが、ちゃんとした靴や服装で山に入りましょう。この地域ではシカの個体数が増えて山なのに下層植生がほとんどありません。ほとんどが芽生えてもシカに食われてしまっています。

見渡しただけでもシカの首が届かない範囲の枝は茂って首の届く範囲の枝葉はゼロ(ディアライン)で見通しが良くなっており、シカの嫌う植物ばかりが残っている。植生が単純すぎてとてもつまんないです。まぁ、下草がなくなるおかげでマダニの被害も少なくなるのだが…

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一体どこから??(近くの水辺は枯れてしまっている)エンカウントしたサワガニ

歩いて行くと竹林に。さっきまでは道中に民家がありましたが、ここから先は深い山の奥に…おばけなんか居なくたって普通に怖いです。時折、イノシシ?がフゴフゴと荒らげな鼻息をもたらしながら私のすぐ側まで近付いて来ているようです。藪の中から急に野生動物(特にイノシシ)に突進される可能性があるなんて考えるだけでも怖いです。

そんな中、道中に遭遇したサワガニを見て癒されました。

そしてこのサワガニを発見した付近ではモリアオガエルが毎年、産卵に訪れる小さな水たまりのようなところがあります。(今の時期は枯れているんですけど…)

そこで私はパソコンを取り出しました。

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パソコンとライト。前にも紹介したかもしれないが、このライトの明るさは最強。発熱はするが、秋〜冬はカイロとしてもいいんじゃないか。

10000lmと書いているがそれはない。が、明る過ぎるし重い。ただ、18650電池を4本使うので、1本しか使わないライトよりかは多少は電池が持つような気がする。4本の電池を100%まで充電して実際に使用してみると、4本中2本の電池が65%になり、残りの2本が95〜93%になっていた。そのまま使って2本の電池がダメになる前に途中で電池の位置を変えると90%以上電池残量がある電池が使われて、さらに長時間照らすことができるのかもしれないが、まだ試していない。試して実際に電池の持ちが良かったら紹介しようと思う。

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この日のために用意したカエルの鳴き声

モリアオガエルの鳴き声はコロコロと鳴いた後にカラララ、クックックのような感じで鳴く。今回用意したカエルの鳴き声はQuickTime Player>表示>再生を繰り返すという項目をクリックし、ループ再生できるように設定をした。

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産卵期は5月〜7月で、今は産卵期ではない。しかし、試してみないと分からない。

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モリアオガエルの鳴き声を再生し、パソコンを放置しました。山の中なので人が私のパソコンを盗むことはないでしょう。盗まれるより野生動物に壊されそう。

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パソコンを置いてカエルを捜索します。ただ、植物の若い葉の黄緑色がモリアオガエルの体色と似ていて難しい。新緑の季節でないだけマシか…

パソコン片手に山を歩き回ると、どこかでカラララと鳴き声が聞こえた。

これの方法は案外、捕獲に向いているのでは????

少し歩き竹林を見渡すと、竹の幹の部分、地上より1m以下の部分に黄緑色の物体がついているではありませんか!

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やったぜ。

これが探し求めていたモリアオガエルです。

産卵期以外でモリアオガエルを狙って探して捕獲するのは奇跡に近いのではないでしょうか??

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お持ち帰りしました。すごくかわいいです。

今回捕獲したのはメスで鳴き声に惹かれて出てきたのかもしれないが、確実にオスが鳴いていた。オスが捕獲できればよかったのだが、後日 再挑戦した時はシュレーゲルアオガエルのオス1匹とモリアオガエルのメス3匹であった。

パソコンからモリアオガエルの鳴き声を流すと、反応しているのか鳴き声は至る所から聞こえるのだが姿が見つからない。木のかなり上の方にいるのだろう。

残念ながらモリアオガエルのオスはなかなか捕まえることができない。メスの方が大きいので夜中に発見しやすいのは体の大きいメスなのかもしれない。

場合によっては夜中に山の中に入るよりも山道の街灯に集まった虫を食べにくる個体を狙ったほうが効率的なような気がします。モリアオガエルの生息地で夜中に虫が集まりそうな街灯をチェックしてみるのは良いかもしれません。

*1:経験者は語る