アサリを飼育するというの話は2017年の10月くらいに書いたと思いますが、実は水槽のセッティングを始めたのが今くらいの時期でした。
水槽を立ち上げたことのある人ならわかると思います。水槽を洗って台に乗せて、サンゴ砂などを敷き詰めて人工海水を入れるという手順がありますが、生体を水槽に入れるのは水槽に人工海水等を入れてから約2週間ほど待ち、生体がいない水槽のろ過装置を稼働させてバクテリアが繁殖するのを待ちます。
ちょうど過去の写真を見ていると空回しをしていた時の写真が出てきたのでお見せします。
アサリを飼育するのに使っている60cm水槽。当時はGEXのろ過装置を使っていました。
水槽はフチのところもガラス(角ばっていなくて丸みを帯びていて高級そうに見えるやつ)のおしゃれな水槽を買いたかったのですが、値段が高い。貧乏学生なので妥協しました。おそらく、この水槽よりも安い水槽ならいくらでもあると思いますが、水槽台や水槽の上に乗せる蓋などのアクセサリ類が充実していたので買いました。
GEXのろ過装置は45cm水槽(淡水)で現役です。ろ過装置は近所のホームセンターで購入しました。水槽は現代っ子なのでもちろんAmazonで。レビューには商品が届いたら水槽が割れていたというレビューがちらほらあってちょっとマズい買い物かなと思っていましたが、無事に届きました。
ちなみにアサリを本格的に飼育しようとシフトチェンジしようとした時にろ過装置をより強力なものにしようと思い、90cm〜120cm水槽用のパワーボックス SV900Xにしました。もしかしたら大きい水槽を今後買うかもしれないしね。アサリを飼育すると決めた時に、アサリの餌は海水に溶かして与えるので強力なろ過能力があった方がいいだろうと思い買いました。欲をいえばオーバーフロー水槽だけど貧乏学生です。我慢我慢。
まぁ、このろ過装置もそこそこお高いんですけどね…
これはAmazonではなくチャームのオンラインショップで買いましたが、改めてAmazonでSV900Xを見ると販売者がチャームになっているのでAmazonで買っても問題なさそうだ。当時はAmazonに無かったからオンラインショップでポチったのだろうか…?
おそらく、これを見ている人が一番気になるのは生体をスーパーで揃えるのは可能なのかということ。結論はホタテガイ以外の二枚貝とサザエやバイ貝なら飼育ができる。ホタテガイは店に置いている鮮度にもよるので評価し辛いが新鮮なものだと飼育はできる。ただ、水温には気を付けないといけない。
ちなみに、飼育していたホタテガイとの出会いは近所のスーパー。店に並んでいた時は水槽の中ではなく白のトレーに入っていた。はじめは死んでいたと思っていたが、目の部分が生きていた。(商品なのでやってはいけませんが)少し刺激を与えると貝ひもの部分の触手が動いていた。まぁ、すぐさま手にとってレジに並び、家の水槽に放り込んだよね。
逆におすすめしないのがアワビやトコブシなどの貝類。特にスーパーで売っているパック詰めのものは絶対に買ってはならない。理由はかなり弱っているのですぐ死ぬ可能性が高いからだ。
いやいやいや、自分、買う(こう)てるやないか!!(関西弁)
スーパーで陳列されている時は動いているかもしれない。ただ、持ち帰ってもそのまま元気なのかと言われれば違う。
磯採集でマツバガイなどカサガイ系を持って帰ったことのある人ならわかると思う。アワビやトコブシも含め、このタイプの貝は岩にへばりついている側(あし?)に砂やゴミが付着する、回収時に負傷させる、陸に上げて乾燥させたりすると生存率が落ちるということを。個人的には魚を持ち帰るよりも難しいと思っている。
磯採集などで生きて持ち帰ることができれば長期飼育できないこともない。
弱っている個体はガラス面に張り付くことができない。ガラス面からずり落ちてしまう個体はそれがトコブシやアワビだとしても生きているうちに食べて供養した方が賢明だ。私の経験上、ガラス面にひっつくことのできない個体は間違いなくその日のうちに死ぬ。
死んだ個体も死にたてホヤホヤなら食えないこともないが、普通は死ぬと臭みが増す。生きているうちに無理とわかったら食おう。
アサリやハマグリ、バイ貝、サザエといった貝は硬い貝殻に覆われているので乾燥に強い。海水パック詰めのものでなくてもよほど弱っていない限り飼育できる。アサリやハマグリの弱っている時の見分け方は砂に潜れなくなる、外套膜の動きが鈍くなる(伸びずに縮んだまま。外套膜との間に隙間ができてエラなど中の部分が見える等)、あしの変化(色が白色から黄色になる、見た目にはなるが柔らかさ?が無くなる)など。
弱っている個体は真っ先に他のエビなどの動物に食われる。上の画像では手前のアサリも弱っているが、クルマエビに襲われているアサリの方が弱っており、水管と足だけで外套膜が見当たらないようにも見える。クルマエビに食われなくても数日で死んでしまうだろう。
アサリ、ハマグリなどの飼育の難しさは何と言っても一度弱ってしまうと確実に再起不能になるということ。
衰弱する原因はいくらでもあり、餌がそもそも十分に与えられていない、水温が30℃以上になるもしくはそれが数日間続く、水質が悪化するなど。一度衰弱してしまえば、(例えば餌不足や高水温)衰弱して二枚貝から粘液が出る→水質が悪くなる→さらに衰弱という負のスパイラルに陥る。
この衰弱スパイラルは、原因の高水温や水質を改善(13℃〜25℃の水温を維持、水換えなど)したとしても止めることはできずに数日後に死んでしまう。おそらく、海水性の二枚貝だけでなく淡水のドブガイなどにも言えることだろう。私も二枚貝の衰弱スパイラルを止める方法を考えてはいるが未だに解決には至っていない。
(一応、バイオ理系なので)水槽内の環境を限りなく自然に近づけて水槽内で自然の摂理を再現し、その水槽に投入した弱った個体が復活するのかを確かめたいと思っているが…
カイアシ類は動物プランクトン。海洋生態系において食物連鎖上、重要なポジションです。おそらく、アサリの餌で与えているクロレラの錠剤を溶かしたものが植物プランクトンの代わりになっているので水槽内で増えているのだろう。
また、アサリ等の無脊椎動物などは珪藻類やデトリタスなど粒子状の餌を濾し取って体内に取り込むとは別に、体表から海水に溶け込んでいる栄養を直接取り込むことができることが知られています。
私もブドウ糖を添加してみましたが、弱ってからでは遅いというのが結論です。
上のリンク先にもあるように、ブドウ糖を添加するのはあくまでも栄養補助剤(サプリメント)の役割です。そもそも弱ったら水管をほとんど開けずに閉じてしまい餌を食べないような気が…
おそらく、上の方で挙げた水換えなどで水質を改善しても再起不能になるのは餌を食べなくなるからだと思う。へビやトカゲ、鳥だと強制給餌できるが二枚貝。。。
水槽内を確認していないのでもしかするとアサリは全て食われてしまったのかもしれない。7月下旬に水槽内を触った時には5匹ほどの生存を確認したが。仮に全滅していたとしても個人的にはかなり長期飼育できたと思う。また懲りずに新しいアサリを仕入れると思うが。