まつもとの雑記

理系のオタクが一般ピープルには理解されない"ディープな"趣味について書き綴ります

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シカのロードキルを発見した話

はじめに

 

海外では車に轢かれた野生動物(ロードキル個体)を食べることは、いわゆる畜産動物のように抗生物質などを飼料を食べていないので、身に添加物もなく、栄養満点で健康食品だという声があります。

 

もちろん、野生動物が何を食っていたのかはわかりませんので、安全なのかと言われると判断しづらいですが。(場所によっては農薬で汚染されたものを食べてフラフラになった個体がたまたま道路に出てきて轢かれてしまった可能性だってあります。)

 

まぁ、拾って帰るのは各々の判断で。

 

最近はジビエ料理がヘルシーだという点で注目されてプチブームしているようですが、「市場開拓するのは難しい」のが現状です。理由は(野生動物なので)季節や土地の環境、と殺などの処理方法によって味が変わるからでしょう。

そもそもの牛や豚などの畜産動物の起源は野生動物でしたが、人間が品種改良を重ねて均一化され人間が扱いやすいようになっています。これは植物にもいえることで、市販されているトマトの苗が一株ずつ性質が違うと収量も変わりますしコストもかかりますよね。

ジビエ料理は個人経営のお店では出せるかもしれませんが、チェーン展開するのは難しいのです。

 

今日の日本では野生動物による農作物の被害を防ぐため、防護ネットや有刺鉄線、わなで捕獲など様々な対策がされています。猟期以外では有害捕獲として野生動物を捕獲していますが、有害捕獲で捕獲された野生動物のほとんどは逃す、もしくは利用されずに殺処分されます。私はどうせ駆除するなら美味しく食べて駆除したい派の人間です。

 

日本では近年、シカやイノシシなどの野生動物の個体数が増えています。背景としては猟師が減っている、捕食者のニホンオオカミの絶滅、里山が管理されなくなり、今まで野生動物が住む山と人間が住む集落(住宅)との境界線が里地里山の環境だったが、その境界線の里地里山が荒廃しているなどの理由で人間が住むエリアまで野生動物が出没するようになっているという事が挙げられます。

当然、野生動物が街に降りてくると人間に被害を与える可能性があります。

www.sankei.com

このニュースは記憶に新しいかもしれません。二条城掘に転落して死亡しましたが、イノシシが京都の市街地を駆け回ったのです。イノシシは牙を持っており、猟犬でも負傷して場合によっては傷が深くて死ぬこともあります。第一に野生動物ですので、普通に街中を徘徊していると思って近付いた途端に猛突進を喰らう危険もあります。

 

長くなりましたが、今回の話はロードキル(Road Kill)*1について。

 

意味合いとしては車にはねられて道路に転がった動物の死骸のことを指します。

 

野生動物が街に降りてきて起こる被害として、車と接触する事故が挙げられます。

車がかなりのスピードを出している時に野生動物と接触すれば、野生動物はほぼ即死に近いでしょうし、大型のトラックでさえもかなりの損傷があります。

野生動物を車で轢いて殺してしまった場合は警察に連絡し、可能であれば二次的な事故を防ぐために(マダニや病原菌などを持っている可能性があるため素手では触らない)ゴム手袋等をして路肩に野生動物を移動させる、市役所や町役場などの自治体に連絡しましょう。

 

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これは新鮮なシカのロードキル個体です。

 

発見した時点では死んでおらず瀕(ひん)死の状態でしたが、素人目で見ても動物病院に連れて行ってもまず助からないだろうと悟りました。

そして動物病院も暇ではありませんので相手にされません。

写真を撮っていないですが、捌いてみると右側の前脚と後脚の損傷が特に激しく、ひどい内出血をしていました。顔付近は左側の皮膚が少し禿げて出血していたので、シカは車に当たった衝撃である程度吹っ飛ばされたのではないかと思う。

食えそうな部分は非常に少ないが、天からの恵みというわけで何かしら料理を作って食べようと思っている。

 

最後になりますが、道路は"野生動物が暮らしていた自然"を"破壊"して作っていますので、動物注意の看板や標識がある道路の通行は特に注意して欲しい。

そして野生動物との共存について改めて考えるべきだと思う。

*1:オーストラリアではカンガルーバンパーと呼ばれる金属製のパイプを曲げて作ったバンパーを車に装着し、カンガルーに当たっても車の損傷を抑えるものがありますし、野生動物を捕獲するためにバンパーを装着した車で轢くという狩猟が生業になっている地域もあります。日本にもSUVなどに標準で装着されていることがありましたが、対人事故を起こした際に人間側のダメージが大きいので最近は標準搭載されていません。